A Life Less Ordinary

Webエンジニアのポエム

「UX Fukuoka」が発足して1年経っていた

1年前、いちシステムエンジニアの私が、「いかに使ってもらえるサービスを作るか」を勉強したくて「UX」の勉強会を開いてみました。

自分が作ったシステムは、利用者に貢献したか?

今まで、プログラミング技術を通じてサービスや製品を提供してきたけど、果たして気持ちよく使われているのか?何か使っていて不満なことはないのか?実は使っているけど潜在的にやりにくい箇所はないか? など、悶々とすることがありました。
元来、Webデザインには興味があって、魅力的なUIやレイアウト、洗練されたパーツは、自分では作れないながらもそれなりにこだわりがありました。
人を惹き付けるサービスや製品を作りだすために、右も左もわからぬままUXの勉強会を発足してみた、という経緯です。

それから、本当に「いつの間にか」1年が経っていました。せっかくの節目なので、得た事を自分なりにこのブログに綴っていこうと思います。



HCDのこと

UXを勉強していく上では、必ず「HCD=人間中心設計」というワードを目にすると思いますが、それすらも当時は知りませんでした。

2012年9月に行ったvol.2では、いきなり専門家の方が講師を務めていただきました。情報デザインが専門の浅野先生は東京在住ですが、たまたま福岡で学会があり、当勉強会を探して自ら講義のオファーを申し出ていただきました。
その内容は、UXのイロハのイのようなもので、漠然と捉えていたUXの突破口を教えていただいたように思います。そこでHCDの存在を知り、本を買ったり仕事に取り入れてみるといったことを試していくことになります。

その試してみたことの一つに、自分たちだけで行動観察法を行ってみました。
→「福岡UX勉強会(仮)vol.4 行動観察ワークショップ」
 http://allo.hatenablog.jp/entry/2012/11/20/020908

ユーザーのニーズを探るための手法の一つ。手探りの状態だったので初めはどうなることか不安でしたが、北九州市立大学の山崎先生のご協力のもと、一定の成果が出た会になりました。
"楽しめていない人を観察し、どうしたら楽しめるか"
というテーマでユーザーの行動を観察した後に推察を行い議論をしました。最終的には、運営委員会の人に提案できそうな内容に仕上がったと思います。


vol.4を経て、本格的なワークショップを行ったのがvol.5。
→「UX Fukuoka vol.5 オブザベーションワークショップ」
 http://allo.hatenablog.jp/entry/2012/12/27/201324

浅野先生に本格的なセミナーを開いていただき、行動観察をもとに新しく製品のパッケージデザインを行うというものです。
ユーザーの心理や目的に沿うといった
「コトのデザイン」
を体験することができました。
また、以前に自分たちで行った時とは違い、行動観察や問題点の抽出などは先生に一つ一つアドバイスを貰いながら行ったので、より良い成果が出たと思います。

また、vol.5で学んだことをもとに、自分たちだけでワークショップを行ったこともありました。
→「UX Fukuoka vol.7」
 http://allo.hatenablog.jp/entry/2013/02/22/013055

「受付の最適化」というタイトルで、結婚式、セミナー、同窓会など、「受付」というタッチポイントが発生するイベントにおいて、気持ちのよい受付の方法を考えるワークショップを行いました。
「受付」で発生する問題点を抽出し、改善点を発表。皆さん、とても真剣に取り組んでいただきました。

「セミナーのコピー」というのは勉強の質は上がらない、と浅野先生に助言を受けていたのですが、
確かに、課題も多くあったセミナーとなりました。


vol.9では、三たび浅野先生にご登壇いただき、vol.5とは別の行動観察を行いました。
→「UX Fukuoka vol.9 まとめ」
 http://allo.hatenablog.jp/entry/2013/05/15/024554

vol.5が製品のデザインとするなら、vol.9はサービスのデザイン。
前回よりも行動観察の時間を多く費やしました。そこまで時間を使わないと本質が見えてこないし、むしろ、それでも時間が足りないのかもしれないです。
観察というのは、どうしても見られている意識があるので、普段とは異なる言動をしてしまう可能性があります。そこを崩すには素が現れるのを待つか予期せぬハプニングを期待するかですが、いずれにしろ、ある程度の時間は必要になります。


まだ半分

ここまで、半分近くはHCDで提唱されている手法をやってみたことになります。
しかし、4つのサイクル「観察・理解・設計・評価」のうち、まだ前半部分しかやっていません。
しかも前半だって「マスターした」とは程遠い。
いろいろと道のりは長い。。。