A Life Less Ordinary

Webエンジニアのポエム

カスタマージャーニーマップワークショップの振り返り

UX Fukuoka vol.9で開催。

■定量的調査
収集したデータを数値化することを目的とした調査。
世論調査や実態調査など数字がはっきりと表れるものが該当。
作成者が予め想定した質問や回答になる傾向があるので、対象者の潜在的な想いは表れにくい。

■定性的調査
行動や言動、見たままの状態や印象を、写真や文章など数値化できない形で収集することを目的とした調査。潜在的な欲求や要望を汲み取れる可能性があるが、その引き出し方は一定の技術が必要。

定量的調査は、あくまで「提供者」が考えた項目を、提供者の主観で決めた数値でサンプルを集める。

よく見るアンケートでは

例)「サービスの内容について教えてください」
  1)とても悪い 2)悪い 3)ふつう 4)良い 5)とても良い

仮に1)が多数を占めても、傾向はわかるが解決策はわからない。また、逆に4)が多数を占めても、何が良いのかわからず、実は潜在的な欠陥を持っているのかもしれない。

それを補うため、上の例に続けて

「その理由について教えてください」

という項目があったりする。
定量と定性のハイブリッドみたいな。
ただ、この定性的調査は扱いが大変。まず、例の場合だと、書いてくれない人が多い。また、ウソを書く可能性もある。正確にはウソじゃないが、言語化という過程において本質的なことからいくつか欠落が生じて伝えたいことが伝わらない可能性もある。さらに、時間が経つと忘れる。

従って、そのようなアンケートに代わる、ユーザーの本質が引き出せるような調査手法が求められる。

  シャドーイング
  エスノグラフィ
  フォトエッセイ
  フォトダイアリー
  半構造化インタビュー
   など

シャドーイングは、いわゆるストーカーになって行動を観察する。外的な行動のみでは想像の域を出ないので、その場でなぜそのような行動を行ったのかを聞くことで内的な理解ができる。
一度、外的な行動のみの観察を行ったことがあるが、今思えば、それでは潜在的な要求を取り違えているかもと思った。
今回のWSでは、疑問に思ったことは即座にインタビューを行い、理解を深めていった。

上の中で一番効果があるのはエスノグラフィだと思われる。
エスノグラフィは、もともとは文化人類学、社会学の用語。集団や社会の様式を感覚的・視覚的に理解する。相手のことを知りたければ、まずは自分が相手と同じ境遇の中に入る、ということ。
ただ、これをビジネスでやろうと思うと、ユーザーの協力や多少の費用は必要になってくると思う。
フォト〜は、やったことないので、効果はよくわからない。
半構造化インタビューは、臨機応変に質問内容を変えていくらしいが、結構大変な技術だと思う。



■カスタマージャーニーマップ
いかに定性調査を行ったところで、それを視覚化しなければ要求は埋もれてしまう。
調査内容をビジュアルをもってわかりやすくする手法として、カスタマージャーニーマップがある。
ちなみに、これは「サービス」には有効だが、サイト分析には不適格らしい。


これらは情報デザインの一部なんだろうな。
情報を整理するということ。膨大な情報量に埋もれてしまわないよう、一つ一つの要素を洗い出して重大な情報を見逃さない。